ユーザー事例
  〜 株式会社 協伸精機

「HSMツールパスの良さは一目見て分かりました」
 金型製造の加工時間短縮に貢献するOneCNC

株式会社協伸精機は、愛知県名古屋市に拠点を置き、主に自動車部品の金型設計及び金型製造を専門的に行っているプラスチック金型メーカーです。

高度なノウハウを要する金型製造は、早くからコンピュータ化が図られ、最も積極的にCAD/CAMシステムを取り入れてきた業界です。
当社も早くからCAD/CAMシステムを導入し、以後も常に最新の技術を取り入れるべく、現在に至るまで様々なメーカーのCAD/CAMシステムの情報にアンテナを張り、調査・研究を繰り返してきた経歴を持っています。

2008年にネットワークライセンスによりOneCNCを一挙10ライセンス導入し、現在も社内で必要不可欠なシステムとして運用されています。
この度お話を伺う木村部長は、社内においてCAD/CAM選定を含め製造技術全般を統括し、加工機メーカー、CAD/CAMメーカーに留まらず、金型業界の方々にも強い影響と広い人脈をもつ方です。

(写真は、お話を伺った木村部長(右)とCAM担当の加納さん(左))


加工時間の短縮やツールパスの効率化について深く研究されていると伺っていますが

木村部長
そうですね。当社はプラスチック金型メーカーですが、ベース加工の比率が高いのです。この加工は広い領域を取り除く必要があるため、最も時間のかかる工程となっています。

ですから2Dポケット加工や3D等高線荒加工の使用頻度が高く、これらの荒加工工程の時間短縮が必然的に当社の効率化の大きなテーマになってくるという訳です。


具体的には、どのようなツールパスが理想なのでしょうか?

木村部長
従来から使用されているポケット加工や等高線荒加工の荒取りパスはオフセット型でした。
これは加工形状に合わせたオフセットパスを元に領域を埋めていく加工径路になります。
これが曲者で、角で折り返す部分をどうしても発生させてしまいます。
この部分が工具負荷を一気に上げてしまう。

ここまではCAMメーカーさんもよく仰ってるところで、この角を円弧に変換したり、速度を落としたりと工夫されていますね。
でも満足のいく加工パスではありませんでした。どうしても工具負荷が安定していません。これがZ切り込みを大きく出来ない最大の理由です。

OneCNCのHSMツールパスでは絶対に指定したステップオーバーを越えることがありません。つまり、側面方向の工具負荷が安定しているため、工具刃長分のZ切り込みをかけても大丈夫なのです。
この利点を利用するだけでも加工時間の短縮が期待できます。

考えてみてください。
それまで1mmで行っていたものを6mmのZ切り込みができれば単純に6倍ですよ。
これはHSMツールパスの加工負荷が常に一定だからこそ成せる技です。


確かに。Z切込みを大きくした加工が効率的なのは明らかです。
今後はスタンダードな加工技術として広まってくるでしょうね。

その他にツールパスを見る上での重要なポイントはございますか?

木村部長
ツールパスに角が無いことも重要です。
私自身、元々は自動機などの制御をやっておりまして、モーターや制動機構について学んだのですが、従来のオフセットパスが発生させる急制動は機械に大きな負担をかけることを問題としていました。

テーブルの上には重い材料も乗っていますからそれを合わせた慣性も加わります。
つまり、ツールパスに急激な方向転換があると、それだけで高速度を実現する上で大きな障害となるわけです。

重要なのは一定した工具負荷だけでなく、ツールパスに急制動がないことの両方が必要であるということですね。

木村部長
まさにその通りです。
OneCNCのHSMツールパスはこの二つの条件を共に満たしている点が素晴らしいと思います。



HSM ツールパスによって、加工時間が大幅に短縮できたと伺っていますが、
それは最新の高速加工機に限ったことでしょうか?

木村部長
確かに回転数を上げられる機械の方が より効果がありますが、高速回転仕様でない古い機械でも充分メリットを発揮しています。
例えばこのベース加工(材質:S50C)などは回転数4000回転、送り速度1000で加工しています。一般的に言われる高速加工の1万回転超ではありませんが、HSMツールパスを使うことで以前のオフセット型のツールパスの加工から1/3ほどに加工時間を短縮することができました。

回転が不足する分は4枚刃の工具を使用するなどの工夫も効果があると思いますし、HSMツールパスを使うことで工具刃長分の切り込みを行うことができますので、何よりもこのことによる効果が大きいです。




高速加工に対応したCAM製品はOneCNC以外にもいくつかあると思いますが、
他メーカーの製品とはどのように比較検討されたのでしょうか?

木村部長
HSMツールパスについては、実はOneCNCではなく別のメーカーのツールパスを見て興味を持ったのです。
先ほどお話ししましたようにポケット加工のウェイトが高いものですから、常にこの部分にアンテナをはり、
情報を集めるようにしていましたが、そのアンテナに引っかかったのがHSMツールパスです。

最初にHSMツールパスに興味を持ったCAD/CAMはミッドレンジの価格帯のソフトウェアです。
その他にも数百万円の価格帯の著名なCAD/CAMについても、いくつもメーカーのデモを見ては
真に理想的なツールパスはどれか検討してきました。

正直なところ、OneCNCについては「安いCAMでHSMを謳っている」という認識しかなかったのですが(笑)、
OneCNCが出したHSMツールパスを初めて見たときは驚きました。
複雑な島残しポケットであろうと常に負荷が一定以上に上がることなく、こそげるように領域を潰していきます。
また工具がZアップする回数も極端に少ない。

それからは、OneCNCのHSMツールパスを基準として他社のCAM製品を検討していくようになりました。
OneCNCは比較する製品の中でもっとも価格の安いCAD/CAMでしたが、不思議なことにどんなに高い製品も
OneCNCほど満足できるツールパスを出すことができませんでした。


今後、OneCNCに期待することはどのようなことですか?

木村部長
現在の機能には十分満足しています。
HSMを中心に荒加工パスについてはハイエンドCAMを凌駕しているといっても過言ではないと思います。
ハイエンドCAMの豊富な仕上げ機能と比較すると、まだまだ期待すればキリがないですが、
開発のバージョンアップの速さなどを見ていると期待できると思っています。

それとCAMメーカーには是非既成概念にとらわれず、今後も新たな提案・機能開発をして欲しいですね。
例えば、広い領域を取り除く荒加工はどんな方法でもいいわけです。
レーザー光線で溶かしても、はたまた形状が守れるなら爆発させてもいいです。
ただ安全に、熱変位を起こさず早く取れるかということです。
ぜひ新たな発想で挑戦を続けて頂きたいものです。



▼ユーザープロフィール
■社名:株式会社 協伸精機
■所在地: 愛知県名古屋市緑区浦里3丁目215番地2
■TEL :052-892-7700
  
【事業内容】
自動車部品を中心とした金型設計・製作

【販売店】有限会社セカンドサポート

【導入製品】 OneCNC Mill Expert ×10台
※ネットワークライセンスにより、10ライセンスを導入
 
 


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