ユーザー事例
  〜 東京工芸大学

大学の 「知能ロボット研究室」 にて―
部品製作の内製化を支えるOneCNC

東京工芸大学で池田先生が指導されている“知能ロボット研究室”は、
ユニークな研究テーマと民間企業との共同研究、開発などで豊富な実績を持つ研究室です。

そして池田先生が併せて指導されるサークル、“ロボット研究会”は、2007年のETロボコンで全国チャンピオンシップ3位、2008年全国学生室内飛行ロボットコンテスト優勝に輝くなど、活力あるサークルです。

今回は大学の研究室をご訪問し、日々の研究にOneCNCがどのように関わっているか、研究成果を拝見しながら池田先生と大学院生の山口さんにお話を伺いました。


ロボットの部品を内製化されるようになったそうですが、どのような経緯だったのでしょうか?

池田先生:
加工機を導入することになったのは、まず「経費節減」の目的からでした。
以前のある研究テーマにおける製作で、外部に出す部品の加工賃が250万円くらいかかりました。
研究室全体の予算からすると大変なウェイトです。

また、リードタイムの短縮からも考えての事です。
部品の加工を外部の加工屋さんにお願いすると、通常一週間くらいは覚悟しなければなりません。
また学生が設計するものですから、はめ合いや、公差がどの部分でいるのかを記入するのも慣れていません。ですから加工屋さんから問い合わせが来たりと余計に時間が掛かってしまっていました。

NC加工機は組み立てキットを購入し自分達で組み立てて使用しています。
それに特注でコンプレッサーを取り付け、ATCの機構をつけてもらいました。
フォルダストッカーはこれから自作しようと思っています。
今ではこの機械をあわせて3台が稼動中です。
少しテーブルが小さいので、改造しようかとも思っているところです。

CAD/CAMについては、最初は別の2次元のソフトを使用していたのですが、加工時間がとてもかかり、またプログラム中に完成の形状が正確にわからないため、加工の最中はつきっきりでないとだめでした。
加工に大変な時間がかかってしまう理由は、当時は加工の仕方が悪いと思っていたのです。
これはOneCNCを入れてわかったことなのですが、当時のCAMの加工径路に問題があったようです。


数あるCAD/CAM製品の中で OneCNCを選択された理由は?

池田先生:
OneCNCはインターネットで探しました。
構想や設計はSolidWorksを使っていますので、まず3次元形状が取り込めること。
また加工終了時の形状が確認できることが念頭にありました。

実は2年ほど前、他のミッドレンジのCAD/CAMを検討したことがあるのですが、その時はデモを見ても一体どこが良いのかよくわからなかったのです。それにトータルのコストも結構高くて結局断念しました。
そうした経緯もあって、OneCNCをインターネットで見つけたときは驚きました。
“3次元データ”が取り込めて、“シミュレーション”ができて、“安い”と(笑)。
製品のグレードは、最初は試しにという気持ちもあったので2次元のMill Expressを導入しました。
使ってみてよければ、上位グレードにランクアップしようと・・・


OneCNCを導入していかがでしたか?

池田先生:
導入して最初に驚いた事は、インストールしてすぐに加工を始められたことです。
講習も受けていませんし、取扱説明書とチュートリアル、それから画面の案内を頼りに使い始めたのですが、操作は非常に分かりやすく、特にユーザーインターフェースが優れたソフトだと思いました。
そしていざ加工してみると、以前のCAMで作ったプログラムと比べると格段に精度がよいことに驚きました。

山口さん:
加工精度の件ですが、例えばこのギアケースですが、
以前のシステムで作成したものはどこか動きに引っかかりがありました。
でもOneCNCで作成するとこのとおり、とてもスムーズな動きになりました。
それだけでなく加工時間も短くなるので助かっています。以前ですと一昼夜かかっていたような部品でも、OneCNCですと2時間ほどで加工出来たのには驚きました。CAMソフトの違いだけでこんなに違いがあるものだと思いました。

また、シミュレーションで最終形状まで確認できますし、(工具負荷を一定に抑えるHSMツールパスのおかげで)以前のようにワークが途中で動いてしまったりという失敗がないので、加工の最中も安心してそのまま放っておけます。


池田先生:
最初に導入したMill Expressの評価が非常に良かったので、導入して一ヶ月もしない内に、3軸まで対応できる最上位グレードのMill Expertにランクアップしました。このように途中から製品グレードを上げられるのも嬉しいですね。

まだボールエンドミルは使っていないのですが、2Dと同じフラット工具を使って最近では右図のような3次元形状にも取り組んでいます。
(右図:潜水艦のモーターカバー)

3次元加工は、加工機のZストロークがあまり無いものですから、これまであまりやっていませんでした。
でも工夫することで、ロボットの筐体やマスクなどもデザイン的に凝ったものを作ることができると期待しています。


OneCNCの操作に関しても 池田先生が指導されているのですか?

池田先生:
基本的に使用しているのは学生です。
OneCNCに関しては私から学生に教える事はほとんどないですね。
みんな最近の若者ですので、学生が勝手に触って、勝手に動かすような感じです。
私としても手が掛からなく助かっています。

山口さん:
はい、そうですね。むしろ楽しんで使っています。
特にCAD/CAMを操作しているって感じではなく、オフィスソフトを使っている感じです。


今後の展開についてお聞かせください

池田先生:
今回の導入の成果としては、加工に以前ほど、時間、お金などのエネルギーを使わないですむようになったことが大きいですね。掛かった費用は加工賃からすると来年には元が取れると思います。
そして、今後についてですが、加工については冶具を作成したり、工具の条件をきちんと合わせるなどの加工ノウハウを蓄積できれば、もっと効率的に部品が作成できるようになるでしょうね。
旋盤もNC化しようと思っています。研究室の道具として自作するわけですが、CAD/CAMはOneCNCにしたいと思っています。うちの大学はレーザー加工も使っていますので、これもNC化することも可能ですよね。
もちろんサークル(ロボット研究会)における活動にもを注力していきます。ロボコンなどのコンテスト参加なども、学生にどんどん発破をかけていきますよ。
OneCNCで部品を作成したロボットが今年から動きだします。
楽しみにしてください。


最後に、大学の研究は試行錯誤の連続だと思います。
その過程の中で学び、発見していくことが大事ですので、考えているものがすぐ形になる、間違えていてもすぐやり直しがきく、そんな環境は非常に得がたい大切なものです。
NC加工機とOneCNCはまさにその環境を提供してくれているように思います。


▼ユーザープロフィール
■社名:東京工芸大学 “知能ロボット研究室”
■所在地: 神奈川県厚木市飯山1583厚木キャンパス
■URL :http://www.runbot.jp/


  
【研究テーマ】
・脚式走行ロボット(2次元平面・ワイヤ駆動)
・脚式走行ロボット(3次元空間・ワイヤ駆動)
・マルチボディシステムのための
 解析・設計ツール
・浮遊ロボットの姿勢制御
・水中移動体(潜水艦)の制御
・恐竜型2足ロボット

【導入製品】
OneCNC Mill Express
 1ヶ月以内に→ Mill Expert にランクアップ



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