ユーザー事例
  〜 株式会社ヤマダ製作所 (続編)

5軸加工に強みあり! 社員全員がOneCNCを使いこなし、
  プログラミングから加工まで一貫して責任を持つプロ集団

輸送機や生産設備、工作機械や医療機器、電子機器などの幅広い分野について、
小ロット品から量産品まで、ワークの材質も鉄、ステンレス、アルミ合金、各種樹脂と幅広く
対応する株式会社ヤマダ製作所。

2008年にもOneCNCのユーザー事例(旧記事はこちら)として登場して頂いた当社ですが、
今回は当社 代表取締役 山田貴博氏(写真中央)に、その後の近況をお聞かせ頂きました。



【1】OneCNC をベースにCAD/CAM設備を大幅増強

当初は、OneCNC XR3 Mill Professional + 固定5軸オプションの構成でしたが、
現在は最新バージョンの最上級グレードである OneCNC XR7 Mill Expertに、また固定5軸オプションも
同時5軸までプログラミング可能な5軸フルオプションにランクアップしています。

さらに"ネットワークライセンス"を活用し、OneCNCのライセンス数を10ライセンスまで拡張。
当社工場内には無線LANを配備しており、工場内にあるどのパソコンからでも 社員全員がOneCNCを
自由に使用することができるCAD/CAM環境を構築しています。


 ▲ 工場内の様子
   各マシニングセンタごとに用意されたノートパソコン全でOneCNCが稼働している。


【2】”自分が使うNCデータは自分で作る”

かつてCAD/CAMが高価で特別な設備だったころと違い、Windows-PCになった今は誰もがNCデータを
自分で作成できるべきと考えています。従業員の平均年齢はおよそ30歳ですが、さまざまな要望に
より良く応えていけるよう、若い人を育て、加工の技術レベルをさらに高めていく必要もあります。

弊社では 『自分が使うNCデータは自分で作る』 を原則として、形状編集とNCデータ作成は
加工担当者が自らCAD/CAMを操作して行なっています。
この『自前主義』では、加工指示書などの帳票づくりや引継ぎの手間がなく、加工内容の伝言・伝達が
不要な分だけ間違いも起きにくいですし、専任のCAD/CAM担当者が休んでも仕事が滞るような心配もありません。

一方、担当者は自分の加工のアイデアを盛り込むことができ、上手くいったアイデアを担当者同士で
共有することができれば会社全体のレベルアップにもなります。
また、担当者一人ひとりが『加工のプロ』へスキルアップするためにも有効な方法だと思います。


 ▲ 加工機のすぐ隣で加工プログラムを作成


【3】自称ハイエンド、高価格5軸CAM試用は散々の結末に

当社はハイレベルな要求・要望に応える加工機の使いこなしのために、CAD/CAMの活用にこだわっています。
それ故、OneCNCをベースにした前述のCAD/CAM環境を構築するに至るまで様々な経緯を経てきました。

2010年のことですが、”ハイエンドCAM” を自称する1000万円強の5軸CAMの導入を検討したことがあります。
操作トレーニングのために2週間もの時間を費やしてメーカーの操作講習会に通い、一年近くにわたって社内で
試験運用を実施しました。

その結果、ハイエンドCAMを自称するソフトでありながら、パス作成に多くの手間と時間を要し、加工に最適な
ツールパスの決め込みも困難なものでした。実加工に取りかかってもイメージどおりの切削はままならず、納入先の
品質基準を満足する加工はできず、結局そのCAMは試験期間の満了を待たずに返品してしまいました。


【4】同時5軸のNCデータを瞬時に生成する専用ソフトを自社開発

試験導入はこのような結果だったのですが、その中で、時間・精度とも満足できなかった加工の一つに対して、
高精度なNCデータを"一瞬"・"一撃"で作成できる5軸NC作成専用ソフトの自社開発をスタートしました。



まず「円筒面の垂直方向に深さ一定の溝を掘る」同時5軸のNCデータを作成できる専用ソフトを完成させました。
この自社開発の専用ソフトは、1)溝形状のサイズと角部の半径、2)円筒面の半径、3)溝の深さ を数値で
入力するだけで1分以内の短時間同時5軸のNCデータを作成することができます。

作成したNCデータはライノセラスの外部ファイル読込み機能を使って点群ならびにリストとして画面に表示でき、
加工面である円筒サーフェスとの精度検証ができるようにしています。(上図)
実加工においても工具の動きはイメージどおりで、加工精度も抜群。納品先からも一発合格をいただきました。


【5】自社に必要なCAMへの気づき。 OneCNCの良さを再認識

これらの取り組みを通して、"高機能"だとか"ハイエンド"といった謳い文句に惑わされるのではなく、
自社に必要な機能とは何か、CAMの内容や実力をより真剣に考えるようになりました。
同時に、全てを既製のCAMソフトの機能に頼るのではなく、頻度の高い定型的な加工については、
専用ソフトの自社開発による競争力アップをも進めるつもりです。

また、色々なCAMソフトの経験を積む中で、主力CAMとして使ってきたOneCNCの加工精度の高さ、
その加工に最適なツールパスを的確に決め込みできる操作性の良さ、機能の確かさ等も再認識し、
OneCNCを主力にした現在のCAD/CAM環境構築に繋がりました。

一方、保守・サポートへの開眼もありました。
余計なランニングコストは加工メーカーとしての競争力を下げてしまいます。
OneCNCが保守料・サポート料が不要なことも、極めて重要なポイントだと再認識しています。

これからも、お客様からの難しい要望にもお応えできるよう、複雑形状への対応、設備のフル稼動、
低コストの追究といったチャレンジを継続し、さらなる加工のレベルアップを図りたいと思います。



▼会社プロフィール
■社名:株式会社ヤマダ製作所
■創業: 1999年9月
■代表者: 山田貴博
■従業員数: 8名
■所在地: 京都府宇治市大久保町平盛71-14
■TEL :0774-41-2155
■URL : http://www.ymd-ss.com/



【事業内容】
5面5軸加工、マシニング、アルミ部品加工、
NC彫刻加工

【導入製品】
OneCNC Mill Expert
OneCNC 固定5軸オプション
OneCNC 同時5軸オプション
*上記構成をネットワークライセンスで 10台導入

OneCNC Lathe Expert + 複合旋盤CY軸


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