OneCNCXR6がリリースされました

OneCNCシリーズの最新製品であるOneCNC XR6がリリースされましたのでお知らせします。

 

OneCNCXR6の概要

この度発売されたOneCNC XR6は、完全な64bitアプリケーションとして開発されており、これまで難しかった大容量ファイルの取り扱いが可能となりました。

また、マルチコアCPUなどの最新のPC環境にあわせて、内部演算処理が最適化され、 ツールパス演算やシミュレーションなどの処理が高速化しています。

切削シミュレーションにおいては、工具ホルダやシャンクとワークとの干渉を検知することが可能になり、工具の突き出し長不足などが原因で発生する加工現場での不慮の事故を未然に防ぐことが可能となっています。

また、新たに「断面比較機能」が追加され、製品形状の3Dモデルと切削シミュレーションの結果を断面形状で比較することが可能になりました。これにより、未加工領域がないか、また残り代や仕上がり状態などを視覚的に確認することが容易になりました。

一方、CAM機能においても、面沿い仕上げ加工(3D)やスキャロップ一定仕上げ加工(3D)、穴の高さを自動認識するフィーチャー認識穴加工や、オープンポケット加工など新しいツールパスも加わり、これまでと比較しても格段にグレードアップしたCAD/CAMシステムとなっています。新しいツールパスの概要は下記をご覧ください。

 

▼フィーチャー認識穴加工が 穴の高さ情報の自動認識に対応

フィーチャー認識穴加工では、画面上に表示されている2D形状や3Dモデルから穴形状を認識し、 穴種類や穴径ごとに瞬時にグループ化し、多数の穴加工を簡単にプログラミングできます。 XR6では、モデル情報から自動的に穴のZ高さの値を取得することができますので、 段違いの数百個の穴加工も瞬時にプログラミング可能です。

 

▼「部分オープン」のポケット加工に対応

2Dポケット加工(HSMオープン型)では、これまで外側の領域の全周がオープンとなった形状しか対応しておりませんでしたが、XR6では下のように、一部分だけオープンとなったツールパスが容易に作成できるようになりました。(3Dモデルは必要ありません。2D形状があればOKです)

 

▼マルチボディのストックモデルに対応

これまで、シミュレーションの素材として使用されるストックモデルは、STOCKレイヤーに 入っている単一ボディのソリッドモデルに限られていましたが、XR6からは複数ボディの ソリッドモデルを素材としてシミュレーションできるようになりました。 下図のような多数個取りのシミュレーションや、テーブルやジグ等も含めたシミュレーションが可能です。

 

▼面沿い仕上げ加工(3D) ※ミル製品(Expert) 

面沿い仕上げ加工用のツールパスが作成できます。加工対象とする複数の面をマウスでクリックすることで加工範囲の指定が可能で、これまでのように あらかじめ境界線を作図する必要はありません。また、ボールエンドミルの接触点までを加工範囲として認識するので、選択した面が完全に仕上がります。

用途としては、湾曲した面を簡単に仕上げたい場合や、フィレット部分だけを仕上げたいという場合にも、ごく簡単な手順で強力なツールパスが作成できます。

 

▼スキャロップ一定仕上げ加工(3D) ※ミル製品(Expert)

一般に3次元仕上げ加工で使用される等高線仕上げ加工は、緩斜面(特に平坦面)へのツールパスの生成が難しく、平坦部などを含む形状を仕上げるには、走査線仕上げやオフセット仕上げなどの異なるツールパスを組み合わせる必要がありました。

XR6で新しく追加されたスキャロップ一定仕上げ加工では、ソリッドモデルやサーフェスモデルに対して、勾配の緩急に関係なく一定のステップオーバーで全体を均一に仕上げることができます。ツールパスの形を決定するのは加工境界線です。形状にあわせた加工境界線を工夫することで、 形状にあわせた思い通りの理想的なツールパスを作成することができます。

 

▼面沿い仕上げの活用事例

プロペラの曲面部分や、縁のフィレット部の加工に面沿い仕上げが使用されています。

OneCNC XR6は、完全な64bitアプリケーションとして開発されており、システム全体にわたり 技術的に大きな改良が加えられた全く新しい次世代の製品となっています。

ユーザー視点では、これまでのアップグレードのような分かりやすい変更ではありませんが、 技術的にはOneCNC史上最も大きなアップグレードと言っても過言ではありません。

リリース後も継続的な無料アップデートによって、様々な機能強化や改良が計画されています。